アルツハイマー型認知症治療薬(レケンビ)について|福岡西脳神経外科|福岡市早良区小田部の脳神経外科

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医療コラム

アルツハイマー型認知症治療薬(レケンビ)について|福岡西脳神経外科|福岡市早良区小田部の脳神経外科

アルツハイマー型認知症治療薬(レケンビ)について

アルツハイマー型認知症に対する治療薬(レケンビ、一般名:レカネマブ)が保険適応となり、福岡県でも2024年1月から大学病院などの大規模センターで治療が開始されます。

レケンビは「ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ凝集体モノクローナル抗体」であり、アルツハイマー型認知症の主要な原因と考えられている脳内アミロイドβを除去し、蓄積を予防する薬になります。治療期間は18か月で、2週間に1度、1回1時間程度の点滴治療が必要になります。高価な薬ですが、高額医療費制度を利用すれば年間15万円弱程度の支払いに抑えられます。

治療対象になるのは、認知症前段階の方(MCI)と軽度アルツハイマー型認知症の方で、アルツハイマー型以外の認知症が否定されており、脳内アミロイドβの蓄積が確認されている方になります。

そのため、治療適応の判断には、認知機能検査や頭部MRI検査、脳内PET-CTや脳脊髄液検査など様々な検査が必要になってきます。

また、薬の副作用で脳出血や脳浮腫が生じることが知られており、治療開始後も適切な画像検査が必要です。

現時点では、最初の6か月間は大学病院などの大規模センター(複数名の専門医師が常駐する施設)でのみ治療が可能とされており、以後12か月間(合計18か月間)を地域の後方施設で治療が継続できるように進められております。

後方施設の基準としては、レケンビに対する講習、研修を通じて深い知識を持った専門医であることと、画像検査が行える(1.5T以上のMRI検査が可能)施設であることと考えられています。

当院では早くからレケンビに対する講習会を行い、後方施設としての基準を満たしております。

治療対象がMCIや軽度アルツハイマー型認知症に限られており、早期の診断が今後の治療における鍵となってまいります。

今後の認知症治療に少しでも貢献できるように努力してまいりますので、気になることがございましたらいつでも受診されてください。