椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)|福岡西脳神経外科|福岡市早良区小田部の脳神経外科

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医療コラム

椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)|福岡西脳神経外科|福岡市早良区小田部の脳神経外科

椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)

最近、芸能人の椎骨動脈解離がテレビで放映され、後頚部痛の訴えでMRI検査を希望される方が増えてきてます。

椎骨動脈は首の後ろの骨の中を通って、脳内に入ってくる血管で左右に1本ずつあります(生まれつき片方だけの方もいらっしゃいます)。

椎骨動脈が裂けてしまう病気が椎骨動脈解離(かいり)です。

若い女性に多い病気で、典型的な原因としてはカイロプラクティスや整体で首を強く回してしまったときなどの外傷として生じます。

他にも、若いお父さんが子供を肩車していて、頭を押さえつけられて生じたケースや美容院で洗髪した際に、首を横にされたときに生じたケースなど様々な患者さんを経験しております。

症状は最初に左右どちらかの後頚部でズキッとする疼痛(血管痛)があり、左右どちらかの後頚部にずっと違和感を感じることが多い印象です。

MRI検査をすると、解離した部位が膨らんだ形状をしており、比較的わかりやすい所見をしております。

椎骨動脈解離は血管痛だけではなく、脳梗塞やくも膜下出血の原因にもなる病気であり、注意してみていく必要があります。

ほとんどは3か月くらいの経過で、症状も画像上も改善を認めますが、一部では、膨らんだ血管がさらに大きくなり、解離性動脈瘤(かいりせいどうみゃくりゅう)になるケースもみられます。

その場合は、外科的手術の適応になることもあるため、さらに注意が必要です。

また、最初の解離が生じた時点で、くも膜下出血を生じ、重篤化することも0ではありません。

思い当たる頚部の運動があり、後頚部痛が持続する際には一度MRI検査をお勧めします。