物忘れ
- 2022年8月4日
- 認知症
物忘れでの受診も脳神経外科クリニックでは多い症状の一つです。
物忘れは認知機能の低下や集中・注意力の低下で生じる症状です。
若年者の場合はほとんどが集中・注意力の低下で生じており、自覚症状をもって受診されることが多いです。
集中・注意力の低下は精神的ストレスで起こることが多く、仕事上のストレスや睡眠不足から生じていることが多い印象です。
その他、甲状腺ホルモンの低下などが隠れていることもあり、血液検査などで他の病気が隠れていないか精査が必要です。
認知機能の低下を生じる病気は様々ですが、外傷による慢性硬膜下血腫や水頭症など治療により改善するものがあり、頭部MRI検査が重要になります。
認知症は数か月~数年の経過で徐々に悪くなってきたというエピソードが特徴的で、ここ数日で急に認知症になることはありません。
認知症では物忘れ(記憶力の低下)を中心として、睡眠障害や性格の変化、幻視・幻聴など様々な症状を伴ってくる病気です。
アルツハイマー型やレビー小体型、脳血管型など色々な型があり、また混在することもあります。
認知症では「治す」治療は現時点で開発されておらず、なるべく長い間家族と共に過ごせるように「付き合っていく」治療が必要です。
そのためには、家族からの情報を元に、現在困っていることに対応することと、今後起こるであろうことを予想しあらかじめ対応できるようにしておくことが重要です。
治療は投薬だけではなく、福祉を介したデイサービスなどの積極的利用が必要であり、脳神経外科クリニックではその橋渡しを行う役割もあります。
認知症の治療は元からの性格や家族の意向が重要な要素として存在するため、パターン化された治療は存在しません。
すでに他のクリニックで治療中の患者さんであっても、違った治療方法がある可能性もあるため、一度相談されることをお勧めしております。