新規アルツハイマー型認知症治療薬: ケサンラ(ドナネマブ)
新規アルツハイマー型認知症治療薬であるレケンビが福岡県で臨床投与開始されて約1年が過ぎました(2025.1)。
今後、地域のクリニックで点滴や画像の経過観察が行われるようになってくると考えられています。
また、レケンビと同様な新規アルツハイマー型認知症治療薬であるケサンラ(ドナネマブ)が福岡県でも臨床投与開始されました。
ケサンラとレケンビの違いは大きく3つあります。
1つ目は、点滴の投与間隔です。レケンビは2週に1回であるのに対し、ケサンラは4週に1回になっています。
2つ目は、投与期間が決まっていることです。レケンビの投与期間は現時点で決まりはありませんが、ケサンラはアミロイドβプラーク除去が確認された時点で投与完了、または原則最長18か月と決まりがあります。
投与開始時にPETや髄液検査によるアミロイドβプラークの存在を確認することは共通ですが、投与終了のタイミングを確認する目的でPETや髄液検査による再検査が必要になってきます。
3つ目は、ケサンラの治療適応が認知機能評価(MMSE)で20点以上、28点以下とレケンビよりも範囲が広いということです。レケンビの適応にはMMSE22点以上が必要であるため、20~21点で適応外であった方にも選択肢が増えることになりました。
レケンビ、ケサンラはどちらも軽度認知障害(MCI)及び軽度アルツハイマー型認知症にしか適応のない新規薬剤です。
適応の可否は正に時間との勝負です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。